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キャットフードの「粗」という表記について

キャットフードの表記にある「粗」とは

キャットフードの原材料や成分表を確認する飼い主さんも増えてきましたが、成分表を見てもよくわからない単語もあると思います。

その中でも疑問に思う人が多いのが「粗」という表記

キャットフードの成分を見ると、

  • 粗タンパク質15%以上
  • 粗繊維3%以下

など、成分の名前の前に「粗」という文字を見ることができると思います。成分の前についているこの「粗い(あらい)」という字は、どんな意味を持つのでしょうか。

キャットフードの成分の前に置かれる「粗」の例

キャットフードに含まれる成分で、この「粗」という文字が頭につく成分の代表的な物は、

  • 粗たんぱく質
  • 粗脂肪
  • 粗繊維
  • 粗灰分

この4つです。上記の成分はペットフード販売する上で必ず表記しなければいけない成分として義務になっており、この4つの成分と水分を合わせて「保証分析値」と言います。

「粗」は分析の精度を示している

「粗い(あらい)」という言葉から良いイメージを持たない人もいるかと思いますが、粗は分析の保証精度を表しています。

タンパク質、脂肪、繊維、灰分などの分析では、それだけの成分を測定するのは難しく、他の成分が少量は入ってしまいます。

つまり分析で出た値が正確な含有量とは言えないため「粗」という言葉を用いてその分析の精度を表記しているのです。

%やmgの後に「以上」「以下」と表記をしているのは、キャットフードの最低栄養含有量、最大含有量を保証するために書かれています。

この粗が付く4つの成分は、キャットフード選びにも役立ちます。特に猫が病気になった時に食べさせることになる療法食を選ぶ時には、保証分析値は目安として必ず見ておきたいところです。

食品と分析方法はほぼ変わらない

食品には「粗」という表記は見つけられませんが、省略されているだけでペットフードも食品も分析方法はほぼ変わりません。

ですがペットフードでは何が入っているかも大切ですが、その含有量、栄養成分や栄養バランスに特に重きが置かれるため、栄養成分を保証するために分析の精度を「粗」で示しています。

粗タンパク質

粗タンパク質には、タンパク質の他にアミノ酸、アミン、アンモニアなど窒素も含まれています。猫には必要不可欠の成分であるタンパク質。筋肉や血液を作るだけでなく猫にとっては大切なエネルギー源になります。

これが不足していては、猫の健康に良いキャットフードとは言えないでしょう(特定の病気を除く)。ただタンパク質には動物性と植物性があり、猫に必要なのは動物性のタンパク質です。

粗タンパク質が多いからと言って猫に取って十分な動物性タンパク質が含まれているとは限らないので注意してください。

粗脂肪

粗脂肪には、脂肪の他にトリアシルグリセロール、ろう、脂溶性色素などが含まれます。

脂肪分もタンパク質同様、猫にとっては大切です。脂肪にエネルギーが最も多く含まれているので、摂取しすぎると肥満の原因になりますが、適度な摂取は必要です。

ただ肉や魚などタンパク質を摂取する時に脂肪分は付きものになるのであまり摂取させることを意識する必要はないかもしれません。

粗繊維

粗繊維とは食物繊維の一つで、不溶性食物繊維と言います。腸を活性化させて便秘を解消したり肥満予防にも役立つ成分です。

ただこの不要性食物繊維も正確に測定することは難しく、粗繊維と呼ばれています。

粗灰分

粗灰分(そかいぶん/そはいぶん)は、不燃性の鉱物質・無機物=「ミネラル」です。

ミネラルには、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、鉄などが含まれており、猫にとっても必要な成分が多く含まれています。

水分

ドライフードは水分が10%以下になるように作られていますが、水分が含まれている量があまり多いとカビたり腐ってしまったりしやすくなるので、良い品質を保ちにくくなります。

ウェットフードや他のフードに関してはそこまで水分量を気にする必要はありませんが、水分を摂らせることが目的であれば水分量は多い物を選んだ方がいいでしょう。