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キャットフードは2kgが1,000円以下で販売されているものもから、同じ量でも4,000円、7,000円という高価格帯で売られている物もあります。

実際お店に並んでいるキャットフードを見たりネットで探したりすると、つい安いキャットフードを探してしまいがち、という人もいると思います。

では、どうしてここまで価格に差が出てくるのでしょう。この記事では高級キャットフードと一般的なキャットフードの違いを解説していきたいと思います。

キャットフードの価格に影響する理由

キャットフードの価格が高くなるのは大きく分けて以下の5つが影響しています。

• 原材料の生産方法
• 原材料の価格
• 製造費用
• 輸送費
• 保管費

この5つの項目でどのように価格が高くなってしまうのでしょう。

原材料の生産方法

まず原材料を生産する時の方法です。キャットフードの原材料になる「鶏肉」を生産するなら、まずどんな鶏の種類を使うか、どんな環境で育てるか、どんな餌を与えるかなど様々な点で生産方法は変わってきますよね。

オーガニックは手間も費用もかかる

キャットフードをオーガニックで生産する場合は、生産価格が最も高くなります。原材料になる野菜の生産には農薬や化学薬品を使わずに育てなければなりませんし、肉の生産にはホルモン剤などは使わず、育てる時の飼料にもオーガニックの物を使わなければなりません。

オーガニック食材を安定的に確保する必要がある

原材料を育てる手間と費用がかかる上に、ペットフードとして使用するためには一定量の確保をしなければいけません。安定的に確保できない原材料はペットフードの原材料としては使えないので、オーガニックでなおかつ一定量確保できる原材料を選定する必要があります。

オーガニックは全てを出荷できるとは限らない

またオーガニックである以上、自然災害や虫には弱く凶作の年などもあるので、必ずしも作った分の全てを出荷できる状態に育つとは限りません。こうしてオーガニック食材・オーガニックキャットフードは非常に高価になってしまいます。

原材料の価格

原材料の中で肉原料が最も価格が高い

原材料で最も高価なものは肉原料です。猫は肉食性動物であり、たんぱく質からエネルギーを作り出すことができますが、穀物はほとんど消化することができません。

安いキャットフードには穀物が多少含まれている物もありますが、猫の生態に合わせてグレインフリー（穀物不使用）の高価格なキャットフードが誕生しました。グレインフリーでは穀物を不使用にする分、猫のエネルギーになる肉原料を多く配合しています。

穀物は安価な原材料ですが、これに代わって最も高価な肉原料を配合するため、グレインフリーキャットフードの価格は高くなります。

肉原料のクオリティの違い

さらに肉原料のクオリティにも違いがあります。

安価なキャットフードでは人間は食べることができないランクの家禽ミールやミートミールを使用しています。最終的には全てたんぱく質になってしまうので問題はないと言われていますが、中には毛や爪、内蔵、糞などもまとめて肉原料としてしまうものもあります。しかしこれが原因で熱殺菌では殺せなかったプリオンを原因とした狂牛病が流行してしまいました。

また、こうした家禽ミールのたんぱく質は動物性たんぱく質でありながらも消化吸収率が悪いと言われていて、非常に効率の悪い食べ物になります。

高価なキャットフードには人間が食べることのできる肉原料を使用していることも大きなポイントです。元々人間が食べることのできるクオリティの肉をペットフードの原材料として使用することで、高価なキャットフードは安全性が高く、純粋なたんぱく質として消化吸収率が高い点もポイントです。

製造費用

キャットフードを製造する際にもやはり価格の違いは出てきてしまいます。

欧州の国際規格をいくつも取得している管理が行き届いた工場と、製造管理が行き届いていない安い工場を比べれば、当然管理が行き届いている工場の方が製造費用は高くなります。しかしクオリティや安全性を考えるとやはり犠牲にはできない部分です。

肉原料の中でも生肉を加工してペットフードに「多く」配合する技術は一部の工場でしかまだできない技術と言われています。

輸送費

輸出入の費用

国際規格を多く取得し、管理体制が整っている例えば欧州やアメリカなどの海外の工場で製造した場合、輸出入が必要になります。輸出時、輸入時にそれぞれ通関が必要となり、輸入時にはフードの原材料次第で動物検疫が必要になります。

航空便は船便の二倍以上になることもあります

航空便では多くは配送できない上に、輸送料が船便の2倍以上になることも珍しくなくとても現実的ではありません。このため航空便は急を要する場合で少量の輸送時のみ利用し、ほぼ全てのキャットフードは船便で輸送されています。

コンテナ混載便かコンテナまるごと一本か

船便にもコンテナ混載便やコンテナ一本まるごとで輸入する方法があります。コンテナ自体にもドライコンテナとリーファーコンテナがあり、それぞれに利点、欠点があります。

国内輸送後、倉庫に入庫、保管、出庫

コンテナ1本まるごとであればコンテナごと倉庫へ輸送します。混載便の場合は荷物を下ろしてトラックに詰め込み直して倉庫へ輸送します。倉庫で荷物を下ろし、保管場所へ移動、一定温度で保管、注文後に出庫発送します。

保管費用

キャットフードは洋服や健康食品、美容機器など通販でよく見られる商品と違い、価格に対して非常に大きなものです。2kgもの大きさ、重さのあるバッグを数千袋保管する必要があります。

これが服や健康食品、美容機器の場合は1万円と高額の価格のものがあっても大きさは小さく、同じ数量であれば保管場所も狭くて済み、費用も非常に安価に済みます。また、軽くて小さいので発送費用も安価に済みます。

さらにキャットフードは人間は食べないとはいえ食べ物です。布や機械とは違い、保存・保管には非常に気を遣います。このようにキャットフードは通販としては非常に向いていないと言える商材です。

価格が高いキャットフードは多くの条件をクリアした結果

このようにそもそも通販や輸入販売に向いていないキャットフードを製造し、販売する企業努力を価格に反映すると少しずつ価格が高くなっていきますが、こだわりの結果が反映され、ハイクオリティなキャットフードが誕生しています。