猫の急性膵炎の痛みや症状と検査・治療方法。低脂質で高タンパクなキャットフードがおすすめ
猫の急性膵炎とは
急性膵炎とは、消化酵素が含まれている膵液を作る「膵臓」が炎症を起こしている状態で、非常に危険度が高い病気です。一説では猫の死因の約半数は膵炎が原因だとも言われています。
消化酵素が暴走する
急性膵炎は、膵臓で作られる消化酵素が活性化してしまうことで膵臓自体を消化してしまい炎症を起こします。
そして膵炎は膵臓だけに留まらず、漏れ出した膵液が他の臓器や組織まで消化して壊死させてしまうのが恐ろしいところです。
放っておくと血液や心臓、全身にまでその影響は広がります。全身に炎症が広がることで他の重大な病気を併発し、そして最終的には死に至ります。
猫の急性膵炎の痛みと症状
猫の急性膵炎の症状は、
- 腹部の痛み
- 食欲がなくなる
- 黄疸
- 下痢・嘔吐
- 元気がない
- 動かなくなる
- 体重減少
- 腹水(重症の場合)
などの症状があります。猫は痛みを我慢してしまうので腹部の痛みに気が付くのは難しいかもしれません。ただ猫が腹部に痛みを抱えている時、猫がいつもと違う体勢でじっと耐えるようなポーズで動かないことがあります。そのため普段から猫の様子や好きな体勢、寝方などを観察して見逃さないようにしておきましょう。
急性膵炎の原因
- 肥満・高脂肪な食生活
- 感染症
- 他臓器の病気
- 病気の治療
- 怪我
- 手術
急性膵炎には上記のような原因があります。食生活から外傷、病気、病気の治療など、原因は様々ですが、なんらかの原因で膵液の消化酵素が活性化してしまうことが原因となっています。
膵炎の検査・治療方法
膵炎を調べる方法
膵炎は動物病院で、血液検査や検便などを行うことで調べることができます。
膵炎の治療方法
膵炎に直接的に効果を発揮する特効薬というのは現在ありません。ですので膵炎の治療では、
- 痛みを緩和させる鎮痛剤
- 膵炎の症状を軽減させる薬
- 注射や点滴を使った栄養補助
などを中心に行います。重症化して他の臓器や器官にも疾患が出ている場合、抗炎症薬のステロイドを使って同時に治療を進めます。
反対にまだ膵炎の発症が初期の場合、短期間の絶食をして酵素の働きを抑えることで治療を行います。
低脂質のキャットフードに
膵炎になってしまった猫、または膵炎予防のために与えるなら、キャットフードは高たんぱく低脂質のキャットフードがおすすめです。
脂質が多いキャットフードは膵炎の発症の原因になることもあり、またすでに発症している膵炎を悪化させる可能性もあります。
しかし脂質が低いとたんぱく質も低くなりがちです。たんぱく質は猫の体のエネルギー源であり、体を修復するのに必要な栄養素になります。
ですのでたんぱく質量は少なくならないようキャットフードを選びましょう。