猫がネズミを食べる理由と病気や感染症のリスク
昔から猫はネズミ除けとして飼われてきましたが、現代で猫をネズミ除けのために飼っている人はかなり少ないのではないでしょうか。
しかし猫は現在もネズミがいれば食べることがあります。今回は猫がネズミを食べる理由、そしてネズミを食べることにどんなリスクがあるのかを詳しく解説します。
猫がネズミを食べる理由
1.お腹が減っている
まず単純にお腹が空いているから、という理由が挙げられます。猫は昔からネズミを食べていたので、当然お腹が空いたときにネズミがいれば捕まえて食べてしまいます。
また猫は少しずつ何度も食事をする性質があるので、いつも残したフードをすぐ片付けてしまう場合、時間が経ってお腹が空いたときに外でネズミを食べてしまうかもしれません。
2.キャットフードに飽きた
キャットフードを食べずにネズミを食べているなら、同じキャットフードに飽きてしまったのかもしれません。猫は同じフードばかりだったり気に入らない味のフードだと、キャットフードを食べなくなってしまうことがあります。飽きてしまったフードや気に入らない味のフードの代わりや違う味の食べ物を楽しむために、外でネズミを食べている可能性もあります。
3.狩猟本能に駆られて
今や飼い猫は飼い主さんから毎日フードを与えられて食事に困ることはありませんが、猫は昔から狩りをして食べ物を得てきました。
なので猫は今食べることに困っていなくても、ネズミのようにすばやく動く小動物がいると、猫じゃらしに反応するように追いかけて食べてしまうことがあります。
猫がネズミを食べて病気に
ネズミは他の動物よりも体が小さく不衛生な場所にもどんどん入り込むことができるため、ネズミの体には様々な病気の原因となる菌や寄生虫が住み着いています。
猫はそんなネズミを食べているので、まさに病気の塊を食べているようなものです。
《猫がネズミを食べることで感染する代表的な病気》
- 食中毒(死にかけ、腐ったネズミの肉を食べた)
→嘔吐や下痢を引き起こす - トキソプラズマ症(ネズミに住み着く寄生虫も食べた)
→発熱、心筋障害、中枢神経障害、肝障害、眼病変などを引き起こす - レプトスピラ症(ネズミの糞尿から)
→感染率は低めだが犬や人間に感染すると危険 - エキノコックス症(エキノコックス感染したネズミを食べた)
→症状はほとんどないが人間に感染すると危険 - 回虫症(ネズミの糞から)
→症状はほとんどないが人間に感染すると諸症状がでる
これらの病気の多くは猫から人間にも感染してしまうため注意が必要です。特にエキノコックス症は、人間に感染して放置すると致死率90%という危険な病気です。
猫がネズミを食べることで猫の健康だけでなく、飼い主さんの健康も影響が出てくる可能性があるため、猫と触れ合うことが多い飼い主さんは特に猫にはネズミを食べさせない方がいいでしょう。
猫がネズミを食べないようにする予防方法
では愛猫がネズミを食べないようにするにはどのような対策や予防方法があるのでしょう。
- 完全な室内飼いにする
- 自宅のネズミを駆除
まずネズミが入り込むことがない家で飼っている場合、完全に室内だけで飼うことが対策として最も有効です。猫はお腹が減っていなくても狩猟本能でネズミを追いかけて遊んだり食べたりしてしまうので、フードを沢山入れておくなどの対策は意味がないかもしれません。
もし自宅にもネズミが侵入してくる場合、ネズミを食べない対策は難しくなります。粘着シートや毒エサ、罠でネズミを駆除する方法もありますが、猫も引っかかってしまう可能性があります。
そのためネズミが家に入り込んでしまう対策として、
- ネズミが入り込む場所を塞ぐ
- リフォームや引っ越しをする
- ネズミがいる場所に猫が入り込まないようにする
などが挙げられます。
いかがだったでしょうか。猫がネズミを食べることは、猫自身はもちろん飼い主さんも病気に感染する可能性が出てきてしまいます。愛猫がネズミを食べないようにぜひご自宅で対策してみてください。