猫の妊娠の見分け方・年齢・期間・妊娠の確率・注意点などを解説
猫の妊娠は分かりにくく、出産直前まで気がつかなかったという飼い主さんも珍しくありません。今回はそんな猫の妊娠・出産について詳しくご紹介したいと思います。猫の妊娠・出産の特徴から気を付けるべき点など愛猫と生まれてくる子猫のために知っておきましょう。
年齢:平均生後6ヶ月から
猫が妊娠できるようになるのは平均6~9ヶ月くらいからです。早い猫は4~5ヶ月、遅くても1年以内には妊娠が可能になります。
安全に出産ができるのはだいたい7~8歳くらいまでと言われていますが、10歳を過ぎても出産した猫もいます。ただ高齢出産は親猫、子猫両方にとってリスクが高いので注意しなければなりません。
時期:春や夏、日が長い時期
妊娠可能になったメス猫は、日照時間が長い春や夏などの季節に発情し、子どもを作ります。しかし都市などの夜でも明るい場所にいる猫の場合は季節に関係なく発情すると言われています。
メス猫の発情期間はおよそ5~6日間で、お腹を体をくねらせたり普段とは違う鳴き声で鳴くなどの発情行動をします。オス猫はメス猫の発情行動に誘惑され発情するので、メス猫のように季節は関係ありません。
期間:猫は約2ヶ月で出産
猫が交尾してから妊娠し、出産するまでの期間は約2ヶ月ほどです。猫は人間に比べると妊娠期間が非常に短く、たとえ妊娠初期に飼い主さんが気づいたとしても出産まではあっという間でしょう。
見分け方:つわりや体の変化
妊娠初期~中期(交尾から2週間~1ヶ月くらい)
- 1週間くらい食欲が落ちる
- 乳首がピンク色になる
- いつもと動きが違う
- 乳房が張る
- お腹が若干ふくらむ
猫の妊娠初期は人間のつわりのように食欲がなくなったり嘔吐してしまうことがあります。また乳の色や大きさにも変化が出てきます。
猫によっては妊娠初期でお腹の大きさに気づく飼い主さんもいますが、出産直前まで気づかないほどお腹の大きさが変わらないというケースもあるので、あまりお腹の大きさはアテにできません。
妊娠中期~後期(交尾から1ヶ月~2ヶ月)
- 食欲が増す
- トイレの回数が増える
- お腹ののふくらみが目立ってくる
- 出産できる場所を探す
- 攻撃的になる
妊娠中期になると初期で落ちた食欲が今度はどんどん増していき、普段よりも沢山食べるようになります。妊娠後期になると猫のお腹のふくらみや様子で妊娠に気づく飼い主さんもいるようです。出産が近づくことで猫は攻撃的になり、人間だけでなくオス猫ですら近づかせないほど気性が荒くなります。
猫は出産数週間前になると出産に適した場所を探すようになり、出産の準備を始めます。
このような時期を経て出産直前になると膣や乳首をしきりに舐め、毛繕いをして出産を待つようになります。
確率:猫は3~5回の交尾で妊娠
一般的にメス猫が発情期に3~5回ほど性交を行えば、妊娠はほぼ確実と言われるほど妊娠する確率は高いです。
猫は交尾をした時に排卵する動物なので、受精する確率が高く、そのため妊娠する確率も他の動物より高くなっています(人間は自然排卵)。
子猫の数:1回の妊娠で平均3~6匹
猫が妊娠した場合、1回に出産する子猫の数は平均3~6匹と言われています。しかし猫の発情期は1年で3回ほど来るので、一生涯で出産する子猫が数十匹になることも。
猫の妊娠・出産で気を付けるべきこと
定期的に獣医に診察してもらう
妊娠したら親猫と子猫の健康を確認するために定期的に動物病院で検診を受けるようにしましょう。病気や異常がないかはもちろん、エコーで子猫が何匹お腹にいるのかも確認できるようになります。
また妊娠の兆候が出ていても「偽妊娠」の可能性もあります。発情期に交尾ができなかったり交尾をしても受精されなかったことが原因で出ることが多く、まるで妊娠したように食欲がなくなったり乳房が張ったりします。本当に妊娠しているのか確認するためにも妊娠したら動物病院に連れて行きましょう。
猫の出産する場所を用意
猫は出産が近づくと出産に適した場所を探し出すので、出産しやすい場所をつくっておきましょう。猫の出産に適した場所とは、直射日光の当たらない静かで暖かい場所で、人通りが少なく物の出し入れや動きが少ない部屋が好ましいです。
- 普段使わない押し入れ
- 深く大きめの収納ケース
- 大きめのダンボールや箱
など。あまり壁の高さがあると妊娠中の猫は入れないので、出入り口は低く入りやすいようにしておくのがベストです。下にタオルや新聞紙などを敷き詰めておくと猫が出産しやすい場所として選んでくれやすくなります。また出産後の掃除も楽になります。
干渉しすぎない
猫は通常、誰にも頼らず一人で出産をするので、攻撃的な時期に飼い主さんや人が世話をしすぎると、猫はかえって興奮したりストレスを感じます。
初めての出産ともなれば飼い主さんは特に心配になるかもしれませんが、見守ることを一番に考えいざ異常が出たときに獣医に連れて行けるよう準備をしておきましょう。
妊娠・授乳期専用キャットフードに
妊娠時は子猫にも栄養が必要になるので、当然普段よりもたくさん栄養を摂取しなければなりません。普段のキャットフードも栄養は豊富に含まれていますが、妊娠中は妊娠・授乳期の猫専用のキャットフードを与えるのが安心です。
安易に繁殖させない
上記でも説明しましたが、猫は妊娠する確率が高く1回に出産する数も1匹でなく数匹ずつです。
さらに猫は家族でも近親交配で子どもを作ることがあるので、始めに飼っていたのがオスとメス1匹ずつだとしても去勢手術や避妊手術をしないまま放っておくと、手に負えないほど繁殖してしまうかもしれません。そういったこともあるので避妊手術や去勢手術をせず猫を飼う場合は、十分気を付けましょう。