猫の塩分!ナトリウムの最低必要値と上限値、簡単な計算方法を紹介
猫にとっての塩分
塩分とは、塩化ナトリウムと言って塩素とナトリウムが合わさった物質です。
塩素もナトリウムもミネラルの成分にあたるため、バランスを考えながら摂取させたい栄養です。
塩素の働き
塩素(クロライド)は他のミネラル成分と相互に働き体の中の成分バランスを保ったり、胃酸の一部となってタンパク質の消化を助ける働きがあります。
ナトリウムの働き
ナトリウムは、細胞の伝達をカリウムと一緒に行います。もしナトリウムが不足すると体や臓器などに異常が出るため、心臓の鼓動が速くなったり体調不良を引き起こします。
猫に必要な塩分の量
猫に必要な塩分量の計算式
1日に必要な塩分量= 1日に必要なナトリウム量(mg) × 2.54 ÷ 1,000
猫に必要な1日の塩分量は上の式から求めることができます。
この式で重要になってくるのは、1日に必要なナトリウム量です。先に1日に必要なナトリウム量を求めてから塩分量を求める必要があります。
では、この1日に必要なナトリウム量はどの値なのでしょうか。
猫に必要なナトリウム量の計算式
猫に必要なナトリウム摂取量に関しては、獣医さんや研究する団体などによって様々な見解や基準がありますが、わかりやすい計算方法をご紹介しておきますので参考にしてみてください。
猫に必要なナトリウム量 = 0.5~3.1(mg)× 猫の1日の摂取カロリー(kcal)
この計算で、猫が1日に摂取したナトリウム量の最低値と上限値を求めることができます。だいたいこの範囲内の摂取なら猫にとって問題ないと言えます。
ナトリウムの最低値と上限値
- ナトリウム摂取量の最低値= 0.5(mg)× 猫の1日の摂取カロリー(kcal)
- ナトリウム摂取量の上限値= 3.1(mg)× 猫の1日の摂取カロリー(kcal)
塩分の摂り過ぎで猫がなる病気
腎不全
猫が塩分、主にナトリウムを取り過ぎると腎不全など腎臓系の病気の原因になります。
また泌尿器のどこかに結晶が作られる尿路結石の原因にもなります。
心臓病
さらに塩分の摂り過ぎでは心臓病のリスクも高くなります。
猫の種類によっては元々心臓病になりやすい猫がいるので、特に注意が必要です。
塩分の致死量
猫も人間と同じで大量の塩分を一気に摂りすぎると死に至ります。
しかし猫の場合、その具体的な致死量がはっきりは分かっていません。ただ1日に必要な塩分量を超えてしまうとそのリスクが高まるため、なるべく上限値を超える量を与えないようにすることが大切です。
一般的なキャットフードのナトリウムは0.2~0.6%
キャットフードの塩分やナトリウムに表示の義務はありませんが、キャットフードメーカーによって、食塩相当量やナトリウムの割合が記載されていたり、メーカーに問い合わせて教えてもらえることもあります。
ナトリウムの割合の目安
一般的な成猫用キャットフードのナトリウムの割合は、およそ0.2~0.6%です。
AAFCOではキャットフードのナトリウム量が最低でも0.2%以上にすることが定められています。
団体によって出している基準が多少ずれることがありますが、おおよそこのくらいという認識の団体が多いようです。
子猫・妊娠猫用キャットフードは0.3~0.6%
ただし子猫や妊娠期・授乳期の猫はナトリウム摂取量の最低値が0.3%となります。上限値は変わらず0.6%です。
高齢猫用キャットフードは0.2~0.5%
高齢猫用のキャットフードのナトリウム量は0.2~0.5%が一般的とされており、上限値が若干低く設定されています。
低ナトリウム食キャットフードは0.4%以下
健康な猫の場合、塩分が少しくらい多くなっても問題ありませんが、腎不全などの腎臓病にかかった猫は、ナトリウム摂取量を控える必要があります。
低ナトリウム食と言われるキャットフードは、ナトリウムの量が全体の0.4%以下となっているキャットフードです。
もし猫に腎臓病の疑いがあったり過去に腎臓系の病気にかかったことがある猫なら、一つの目安としてナトリウムが0.4%以下のキャットフードを探して与えてみてはいかがでしょうか。