猫白血病を発症したら?感染力と治療した時の完治の可能性
猫白血病とは
猫の白血病「猫白血病ウイルス感染症」とは、FeLV(feline leukemia virus infection)という猫白血病ウイルスに感染することで発症する猫の病気です。
猫白血病は骨髄でがん細胞が増殖することで血液に影響を及ぼす病気で、発病してしまうと数年で死に至る恐ろしい病気です。
猫白血病の感染経路
- 母子感染
- 体液からの感染
猫白血病の感染経路は、すでに感染しているウイルスを持っている猫との接触が原因になります。
出産で感染する母子感染、ケンカや交尾、グルーミングなど感染した猫の体液(血液、唾液、母乳など)から感染する可能性もあります。
猫白血病の感染率と完治の可能性
子猫の感染率が高い
猫白血病は子猫への感染率が高いです。母子感染の場合はほぼ100%、生後1ヶ月を過ぎから感染した猫と接触した場合も約50%の子猫は猫白血病に感染してしまいます。
成猫の感染率は10%に下がる
大人になると猫白血病に感染した猫に接触しても感染する確率は10%程度に。
しかし多頭飼いの猫の中に白血病に感染した猫がいた場合、接触する機会が多くなるため体液から他の猫に感染する確率は高くなります。
発病する確率はおよそ30%
感染してもしばらくすると50%は体内からウイルスがなくなり完治します。ウイルスが体内に残ってしまっても発病する猫の割合はおよそ30%なので、死ぬまで発病しない猫もいます。
人間や他の動物にはうつらない
猫白血病は猫同士にしか感染しないため、人間や他の動物、ペットにうつることはありません。そのため、もし飼い猫が猫白血病に感染しても触れ合うことに問題はありませんし、犬や他の動物への感染の心配もありません。
猫白血病の症状
猫白血病に感染すると段階を踏んで症状が現れ、発病します。
【急性期】感染した時の症状
- リンパ節の腫れ
- 食欲不振
- 貧血
- 下痢
- 発熱
- 脱水
猫が白血病に感染後、1ヶ月くらいで現れるのが急性期の症状です。風邪のような症状ですが、生まれて間もない子猫の場合、急性期の症状で亡くなってしまうことがほとんどだと言われています。
この症状が現れた時点で検査を受け白血病であることが分かると、発病前から免疫力を高めるための治療を始めることができます。
【慢性期】発病した時の症状
- 悪性リンパ腫
- 腎臓病
- 白血球減少症
- 慢性口内炎
急性期の症状はいずれ治まりますが、猫白血病ウイルスが潜伏していると上にもあるように約30%が「発病」し慢性期の症状が現れます。
感染だけなら免疫力が多少落ちる程度ですが、発病した後は上記のように悪性リンパ腫や腎臓病、口内炎、白血球の減少など様々な症状が現れ、余命は2~3年になります。
猫白血病の治療方法と治療費
猫白血病を「治す」ための治療方法はまだわかっておらず、病気に負けないようにする治療や、猫白血病によって発症する合併症の治療しか行うことができません。
急性期の治療
猫白血病に感染してすぐに急性期は、インターフェロン投与のよる免疫力を高める治療がメインになります。
免疫力が低くなると様々な病気にかかりやすくなってしまうため、猫の体の抵抗力をなるべく下げずに保つことは大切になります。
慢性期の治療
慢性期の治療ではすでに発病してしまっているので、抗がん剤の投与を行います。また免疫力低下に伴う合併症を発症した場合その治療も行われます。
猫白血病の予防方法はあるのか
ワクチンによる予防
猫白血病はウイルスに感染する前なら、ワクチンで予防することができます。
100%の予防ができるわけではありませんが、感染前の猫には効果的です。
猫を外に出さない
また猫白血病に感染した猫に接触させないようにすることも予防策の一つです。
野良猫は様々な病気に感染している可能性が高く、ケンカや交尾を行って猫白血病に感染する可能性もあります。
ワクチンも完全ではないので、なるべく家の中でだけ飼うのが感染を防ぐには有効です。